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データ有線でディジタルテレビのために用いられるネットワークは、当初は残念ながら、CDDIでも、FDDIでも、イーサーネットでもないだろう。
むしろ現在の高速データモデムの方式のように、ディジタル位相変調されたデータが、既存の同軸ケーブルにディジタルブロードバンド変調されて、ハイブリッド転送されるスタイルが一般的になるだろう。この類の方式でないと、シャノン限界(情報量限界)に近い水準までデータ転送できないからである。
こういう場合は、位相変調マップがデータ保護のキーになるだろう。位相変調マップを獲得しないと、ディジタル放送をまず受信できない仕組みでライセンスの保護がられる。
ディジタル動画像圧縮、ディジタル動画像データエラー訂正技術が、基本的には画像が連続的にデコードされたスタイルでデータ解凍されていないと、十分なエラー訂正と修正が施せないからである。一方、ディジタル衛星テレビ、同軸によるディジタル有線テレビを用いたディジタル多チャネル放送と双極をなすのは、共用光ファイバーによるATM(アンシンクロナス・トランスファー・モード)方式を用いたディジタル双方向テレビである。
共用光ファイバーとATMは、フル双方向サービスを可能にする。提供されるサービスは、現在のインターネットの利用形態とは少し違ったスタイルになるだろう。
まず、ネットワークのバンド幅は、主にパケット(情報小包)の配送に大きなトラフィックを占有される。パケットは、リアルタイムマルチキャストか、通常のマルチキャスト、またはビデオ・オンデマンドで配送される。
リアルタイムマルチキャストは、放送局から一般家庭への配送のために用いられる転送スタイルで、いまでいえば夜9時ごろからはじまる二ュース番組に似たスタイルだ。古いビデオタイトルも、各データ有線会社とか、最寄りのスプールサイトに見つかれば、容易に自宅のビデオスプール(ディジタルビデオデッキ)に転送することができる。
見つからなければ、時間がかかるが、ビデオ・オンデマンドでだいたいその日のうちに自宅にビデオが転送される。ライセンスの管理は、ゼロ知識認証によって獲得された解読コードと、クレジットカード(ICカード)のID、ディジタル双方向テレビのネットワークなどによって、1回のコピー、および数回までの再生に制限されダビング管理されるが、キーコードを取得していないディジタルムービーは再生できないから、コピーは自由にできる。
いちばんネットワークに負担をかけない転送形態である。通常のマルチキャストは、新着ディジタル・インタラクティブムービーの配給会社から一般家庭への配送のために用いられる転送スタイルである。
現在のテレビロードショーと最も違う点は、視聴者のディジタル双方向テレビに差し込んだICカードによるクレジットカードのIDをキーにしたゼロ知識認証による解読キーを、ムービーを再生する際に供給会社から取得する点である。データ有線、通信衛星から送られてくるダウンリンクのすべてのチャネルを同時にモニタするためには、回線のチャネル数だけのディジタルモデムが必要になる。
このようなことがないように、データ有線には、ディジタルチャネルのモニタチャネルがあり、これからのマルチキャストの予定をブリーフィングして、知らせるためのチャネルが一つ確保される。数百チャネルのうちのかなりのチャネルは、オンデマンドダウンロードのチャネルとして確保される。
もし視聴者が完全なリアルタイム性を要求しないのなら、最寄りのFTPサーバー(ビデオサーバー)か、インターネットのビデオサーバーから、パブリックドメインのビデオタイトルを、特別に通信料金を課金されることなく、データ有線を通じて入手することができる。ディジタル双方向テレビの最初のコミュニケーションは、配給会社と一般視聴者の間のビデオタイトルのリクエストと、個別の好みに応じた視聴と課金の関係になる。
最初は視聴者からのアップリンクのデータトラフィックは小さく、認証キーの取得や電子書館リクエストなどにとどまるが、データ有線が同軸から光ファイバーに置き換わるにつれて、しだいに双方向的なコミュニケーションに発展していくだろう。データ有線に接続されて最初に市民の利用に供する公共施設は、電子書館である。
借り出された電子書籍は、返却されるまで貸出中として閲覧できない形で、出版物のライセンスの保護が守られることになる。民間の電子書館には、たいした設備はいらない。
カラオケボックスの中央に置いてある、ディジタルビデオ・オートチェンジャーの機械を1台置いておくだけで十分である。民間の電子書館は貸出料金を取るので、ちょうどいまのレンタルビデオ店のものである。
データ有線に接続された貸しビデオ店は、わざわざ赴くことなくビデオを借りることができる。地元の電子書館にない本は、中央の、国会書館の大規模な公共の書館から借り出すことになる。
本格的な公共電子書館は、大規模並列構成の次世代大型計算機を置くだろう。次世代大型計算機は、電子書館に格納された電子書籍のタイトルの検索、貸出操作だけでなく、電子書籍の中身全体から、利用者が必要とするデータのためにも使用される。
電子書籍は、目的に有効に利用されるために、最初から十分な内容のキーワードを付属するようになる。書籍のオリジナルなキーワード表ではなく、自動生成したキーワード表では、効率的な検索はできない。
電子書籍にオリジナルに入れられるキーワードは、ハイパーカードのハイパーリンクになる。各ページのキーワードをダブルクリックすると、関連項目のテキストへ飛んでいったり、辞書を自動的に引いてくれたりする仕組みが組み込まれる。
電子書籍は、テレスクリプトやスクリプトXで記述された動画を含むハイパーテキスト、ディジタル・インタラクティブムービーとして出版される。将来のインターネット環境では、電子書館の大規模並列計算機の力を借りることで、個々人が大規模な人類資産の知識にアクセスできるようになり、個々人の知的活動を相当パワーアップすることができるようになる。
ATM交換機と一体化した、通信能力の高い大規模並列計算機を置いた公共書館は、公共の福祉の促進のために社会資本として整備されることが必要になる。知的活動の一環としての情報検索が、一部のデータベース会社の有料サービスの一つにとどまるだけではなく、無料の公共サービスの必要性も期待される。
医療サービスのQOSインフラフラストラクチャーとしての、クリニック、ホスピタルシステムは、従来の会計と保健請求のための大型計算機の類ではない。ディジタル双方向テレビと周辺機器は、インターネットの展開とともに、とくに医療応用において大きな変革をもたらすだろう。
情報機器は、情報家電と総称されることになるだろう。電話に代わるローカルコモンキャリアとしてのデータ有線は、医師主体の閉鎖的な医療の今日のあり方を変革する契機となるだろう。
データ有線の普及はネットワーク症例検討会、テレメディシン、ネットワーク診療所の開設、ネットワーク診療によるプライアリケア診療データの紹介転送などの変革を医療にもたらすだろう。診療データは、とくにプライバシーの観点から保護を必要とするものである。
ネットワーク社会ではパスワードではなく、ゼロ知識認証を用いたICカードが健康保険証として使用されるようになる。
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